相続土地国庫帰属制度とは。条件と負担金
公開日:2026年11月4日
この記事の要点
- 相続した土地を、条件を満たせば国に引き取ってもらえる制度です
- 建物がある土地や、境界が明らかでない土地は対象外です
- 負担金は原則20万円で、審査手数料は土地1筆あたり14,000円です
相続土地国庫帰属制度は、相続で取得した不要な土地を、条件を満たせば国に引き取ってもらえる制度です。2023年4月に始まりました。ただし、どんな土地でも引き取ってもらえるわけではなく、建物がある土地や境界が不明な土地は対象外です。この記事では、主な条件と負担金を整理します。
制度のあらまし
相続または遺贈で土地を取得した人が、法務局に申請し、審査を受けます。承認されると負担金を納め、土地の所有権が国に移ります。売ることも貸すことも難しい土地を手放す、最後の選択肢のひとつです。
引き取ってもらえない土地
次のような土地は、制度の対象になりません。
- 建物が建っている土地(まず解体が必要です)
- 境界が明らかでない土地
- 抵当権などの担保権が付いている土地
- 土壌汚染がある土地
- 通常の管理に、過大な費用や労力がかかる土地(崖地など)
申請しても、審査で承認されない場合があります。審査の手数料は、土地1筆あたり14,000円です。
負担金はいくらですか
承認された場合は、10年分の管理費用にあたる負担金を納めます。金額は土地の種類で決まり、宅地や田畑は原則として20万円です。市街化区域や用途地域が指定されている地域の宅地などは、面積に応じた計算になります。森林も面積で計算します。
解体が必要な場合は、解体費用が別にかかります。負担金と合わせて、総額で考える必要があります。
進める順番
家がある実家の土地については、まず次の順番で検討します。
- 売る、貸すなど、活用や売却ができないか確認する
- 建物の解体が必要かどうかを確認する
- 境界が確定しているかを確認する
- 条件を満たしそうなら、法務局に相談する
引き取りは承認制のため、確実に手放せる方法ではありません。売却と並行して検討する進め方が現実的です。
よくある質問
家が建ったままの土地でも申請できますか?
できません。建物がある土地は対象外のため、先に解体して更地にする必要があります。解体費用と負担金の合計で、売却とどちらがよいかを比べることが大切です。
兄弟で共有している土地はどうなりますか?
共有の土地は、共有者全員で一緒に申請する必要があります。1人だけの持ち分を国に引き取ってもらうことはできません。
申請すれば必ず引き取ってもらえますか?
必ずではありません。要件を満たさない土地は申請の段階で却下され、審査で承認されない場合もあります。却下されても審査手数料は戻らないため、事前に法務局で相談してから進めてください。
この記事の内容は、法務省などの公表資料をもとに確認しています。個別の土地で条件が異なるため、最終的な確認は法務局や専門家にご相談ください。