実家の名義が祖父母のまま。どうすればいいですか
公開日:2026年11月4日
この記事の要点
- 相続が2回重なった「数次相続」の状態です
- 相続人全員の確定と同意が必要で、放置するほど手続きが難しくなります
- 2024年4月1日より前の未登記分は、2027年3月31日が猶予期限です
実家の登記名義が、亡くなった祖父母のままになっていることがあります。この場合は相続が2回重なっている状態で、まず祖父母から親へ、次に親から子へと、相続の手続きをさかのぼって行う必要があります。放置するほど相続人が増えて手続きが難しくなるため、早めの着手が大切です。この記事では、進め方を整理します。
なぜ名義が残るのですか
昔は相続登記が義務ではなかったため、名義変更をしないまま世代が替わることがよくありました。これを、相続が重なるという意味で数次相続と呼びます。2024年4月からは相続登記が義務になり、過去の相続で未登記のものも対象になりました。
進め方
進め方は、次の順番です。
- 現在の登記事項証明書を取り、名義を確認する
- 祖父母の代から戸籍をたどり、相続人全員を確定する
- 相続人全員で、遺産分割の話し合いをする
- 法務局に相続登記を申請する
条件がそろえば、2回分の相続登記をまとめて申請できる場合があります。ただし、途中の代で遺産分割が終わっているかどうかで扱いが変わります。
困るポイント
相続人が増えることが、最大の難しさです。たとえば祖父母の相続人が親の世代で3人、その次の世代で6人と増えていくと、全員の同意と書類が必要です。連絡の取れない相続人がいると、話し合い自体が進みません。
また、名義が祖父母のままでは、実家を売ることも、解体の契約をすることもできません。活用の前に、必ず名義の手続きが必要です。
期限との関係
過去の相続で2024年4月1日より前に未登記だった不動産は、2027年3月31日が猶予期限です。数次相続の手続きは戸籍集めに時間がかかるため、期限から逆算して早めに始めてください。
よくある質問
相続人が多くて話し合いがまとまりません
まずは相続人申告登記で、申請の義務を果たすことができます。そのうえで、司法書士などの専門家に入ってもらい、連絡や調整を進める方法があります。まとまらないまま売却はできないため、段階を分けて進めます。
戸籍はどこまでさかのぼりますか?
名義人である祖父母の出生までさかのぼり、そこから現在の相続人までをつなげます。古い戸籍は除籍謄本や改製原戸籍になり、保管している市区町村も変わります。
費用は通常の相続登記より高くなりますか?
登録免許税の計算は同じですが、戸籍の取得数と、司法書士に頼む場合の手間が増える分、総額は高くなりやすいです。相続人の人数で変わるため、見積もりを取って確認してください。
この記事の内容は、法務省などの公表資料をもとに確認しています。数次相続は個別の事情で進め方が大きく変わるため、司法書士などの専門家への相談をおすすめします。